課長から主任へ|役職が下がる転職を、迷わず選べた理由【40代管理職の実体験】

40代管理職の転職体験談

40代で転職して、役職が下がる。

私の場合は、課長から主任になった。40代で主任という肩書きを受け入れることに、抵抗がなかったわけではない。

この一行に、抵抗を感じる人は多いと思う。25年かけて積み上げた肩書きを手放すことが、後退のように思えてしまう。私も、そう感じる気持ちは分かる。

ただ、正直に書くと——私自身は、あまり迷わなかった。

前職では課長として35名の部門を統括していた。転職先での役職は、主任。数字の上でも、組織上の位置づけでも、明らかに下がっている。それでも、この条件を受け入れることに時間はかからなかった。

なぜ迷わなかったのか。そして、実際に下がってみてどうだったのか。美化せずに書いておきたい。

一次面接で「主任スタート」と伝えられた

役職の話が出たのは、一次面接の場だった。内定後の条件交渉ではなく、選考のかなり早い段階だ。

その場で説明されたのは、管理職としてではなく主任からのスタートになるということ。そこから先に進むかどうかは、この時点で自分が決められる。曖昧にされたまま話が進み、内定後に知らされるより、ずっと誠実な進め方だったと思う。

私はその場で、受け入れる方向で話を続けた。

課長から主任へ。迷わなかった理由は3つあった

一つ目は、会社の規模が大きくなることだ。前職は中小企業。転職先は東証プライム上場企業のグループ会社だった。同じ「主任」でも、扱う金額も、関わる人の数も、仕組みの成熟度も違う。役職の名前より、どんな環境で働くかの方が、自分にとっては大きかった。

二つ目は、年収が下がらなかったことだ。むしろ、想定年収は微増だった。役職が下がって年収も下がるなら、さすがに考え込んだと思う。ただ、生活の土台が守られるなら、肩書きが一段下がることは受け入れられる範囲だった。

三つ目——これが一番大きいのだが、もともと役職へのこだわりが薄かった。転職活動を始める前から、「ポジションは下がってもいい」と考えていた。だから、一次面接で伝えられたときも、想定内の話として聞けた。

主任になって、実際に失ったもの

ここは正直に書いておきたい。役職が下がって、実際に変わったことがある。

裁量権は、明らかに小さくなった。前職では自分の判断で決められたことが、決められなくなる。相談し、承認を得て進める場面が増えた。長く管理職をやってきた人間にとって、これは地味に効く変化だ。

そして、仕事は増えた。役職が下がったから楽になる、ということはまったくなかった。むしろ現場に近い立場になったぶん、手を動かす仕事が増えている。「管理職経験者だから分かるだろう」という期待も乗ってくる。

役職を下げる転職は、負担が軽くなる転職ではない。ここを誤解したまま決めると、後で苦しくなると思う。

主任という肩書きに、劣等感がないのはなぜか

裁量が減り、仕事が増えた。それでも、肩書きが下がったことへの劣等感はない。

理由は単純で、自分が正しいと思うことをやっていれば、周囲の信頼も、役職やポジションも、後から付いてくると思っているからだ。

前職で課長になったときも、肩書きが先にあったわけではない。現場で判断を重ね、数字を動かし、人を育てた結果として、後から役職が付いてきた。順番はいつもそうだった。だとすれば、環境が変わった今も、やることは同じだ。目の前の仕事で信頼を積み上げる。それ以外に、新しい職場で立ち位置を作る方法はない。

家族にも、前職の同僚にも、役職が下がることは普通に話した。隠すようなことだとは思わなかったし、実際、誰も気にしていなかった。気にするとすれば、それはたぶん自分だけだった。役職とは、そういう類のものなのだと思う。

主任になって1年近く、いま思うこと

あれから1年近くが経った。主任という立場にも、裁量が狭くなったことにも、いまはもう慣れた。肩書きが下がったことを気にする場面は、実際にはほとんどない。

ただ、正直に書くと、仕事の中身が自分に合っているかと問われれば、まだ答えが出ていない部分もある。決断そのものに後悔はない。それでも「よかった」と言い切れるかは、また別の話だった。転職して1年の実感は、迷っている部分も含めて別のnoteに書いている。

役職を手放せるかどうかが、選択肢の幅を決める

役職にこだわる人を、否定するつもりはまったくない。積み上げてきたものへの誇りは当然あるし、管理職ポジションでの転職を目指すのも、一つの正しい戦略だ。

ただ、現実的な話をすると、40代で「管理職ポジションであること」を条件に加えた瞬間、応募できる求人は一気に減る。求人票を見ていくと、それは数字ではっきり分かる。

私の場合、その条件を外していたから、規模の大きい会社という選択肢が残った。肩書きを一段下げる代わりに、環境を大きく変えられた。何を優先するかの問題であって、正解が一つあるわけではない。

もし今、役職が下がる条件を前にして迷っているなら、考える順番を変えてみてほしい。「下がること」をどう受け止めるかではなく、下がることと引き換えに何が手に入るのか。そこに納得できるものがあるなら、肩書きは意外と手放せる。

そして、手放したあとに何が残るかは、これからの働き方次第だ。私は今、そう思って現場に立っている。

実際に主任になってみて、課長との違いがどこにあったのかは主任と課長は何が違うのかにまとめています。

課長として部下の評価をつけていた側から見えたことは部下の評価を25人分つけていた側の話|頑張っても必ず反映されるとは限らない理由にまとめています。


ポジションが下がっても、年収は上げられます。エージェント経由でどう交渉し、何を根拠に提示したのか。その全記録をnoteにまとめました。

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40代管理職の転職年収交渉ノート― ポジションが下がっても年収が90万円上がった実体験の記録 ―|Yuton
年収の話をするのは、気が引けた。 「お金のことを前面に出すのは品がない」 「企業側の印象が悪くなるかもしれない」 「内定を取り消されたらどうしよう」 そう思っていた。 私は40代・製造業課長職・25年勤務で転職した。 最初のオファーは、前職…

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