40代の転職で25年ぶりに適性検査を受けた話|解けないSPIとの向き合い方

40代管理職の転職体験談

40代の転職で、SPIを受けることになるとは思っていなかった。

書類が通り、次の選考へ進む。そこで案内が届く。適性検査を受験してください——25年ぶりの「試験」だ。管理職として現場を回してきた自信はあっても、筆記試験となると話がまったく別だった。

結論から書くと、40代の中途採用でも適性検査は普通にある。私の場合は6社。そして最初に参考書を開いたとき、問題が全く解けなかった。

この記事では、40代でSPIとTG-WEBを受けた実体験として、何が出たのか・どう対策したのか・やっておけばよかったことを順番に書いていく。同じ場面で足が止まっている人の参考になればと思う。

40代の転職でも、SPIや適性検査は普通にある

新卒採用のものというイメージがあるかもしれないが、中途採用でも適性検査は当たり前に使われている。私が2年弱の転職活動で応募した中で、適性検査があったのは6社だった。

しかも、来るタイミングが早い。書類選考を通過した直後、面接より前に案内が届くことが多かった。書類が通って喜んだ翌日に受験期限が設定されている、というくらいの速さだ。

だから「面接対策を固めてから適性検査を考えよう」という順番は成り立たない。40代の転職活動で適性検査に慌てるのは、実力の問題ではなく、この順番を知らないせいだと思う。

年齢で問題が易しくなることもない。新卒の学生と同じ画面で、同じ問題を解く。ここは覚悟しておいたほうがいい。

SPIの問題が、全く解けなかった

適性検査が40代にとって重いのは、内容そのものより「土俵」の問題だと思う。職務経歴書や面接では、25年の経験がそのまま武器になる。しかし適性検査の画面の前では、経験年数も役職も関係ない。新卒の学生と同じ条件で、同じ問題を解かされる。積み上げてきたものが一度リセットされる感覚——あれは、他の選考にはない独特の削られ方だった。

最初に参考書を開いたときの衝撃は、今でも覚えている。

現役の学生に近い頃ならスラスラ解けただろう問題が、全く解けない。非言語の計算問題を前に、手が止まる。解き方の記憶が、きれいに消えていた。

ショックだったのは、問題が難しいからではない。「昔の自分なら解けた」と分かっているからだ。25年間、現場で判断し、部門をまとめ、数字を改善してきた。その経験は本物のはずなのに、適性検査の画面の前では通用しない。40代の転職活動には、こういう種類の削られ方もあるのだと知った。

だから私は、プライドを一度置いた。解けない問題は、解答と解説を見ながら頭に叩き込む。思い出すのではなく、覚え直す。それくらいの割り切りで向き合った。

受けたのはSPIとTG-WEB|6社すべて自宅受験のWebテストだった

私の場合、適性検査があったのは6社ほど。すべて自宅で受けるWebテスト形式だった。テストセンターに出向く形式ではなく、自宅のパソコンで受験するタイプだ。在職中の転職活動では、この形式がほとんどだった。

種類は大きく2つ。SPIと、TG-WEBだ。そしてTG-WEBには新型と旧型(従来型)があり、出題の傾向が違う。応募先がどの形式を使っているかで対策が変わるので、受験案内が来た時点で形式を確認することをおすすめする。

やっかいなのは、それぞれ性質が違うことだ。SPIは解き方を覚えていないと手が出ない問題がある。一方TG-WEBは、問題自体の難易度は低いが、問題数が多い。じっくり考えれば解けるのに、時間が足りなくなる。

SPI・TG-WEB対策は「スキマ時間」と「タイム測定」でやった

在職中の転職活動なので、まとまった勉強時間は取れない。私の対策はこうだった。

SPIは、スマホアプリと問題集を併用した。アプリは「SPI 言語・非言語就活問題集」と「時事問題・一般常識一問一答」、紙の問題集は「1日10分から始めるSPI基本問題集」を使った。いずれも就活生向けのものだが、40代が使って問題はない。出題されるのは同じ試験なので、教材を年齢で選ぶ意味はなかった。

進め方は、通勤や昼休みのスキマ時間にアプリで1問ずつ潰していく形だ。机に向かう勉強はほとんどしていない。解けなかった問題は解説を読み、思い出そうとせずパターンとして覚え直す。問題集は、アプリで手応えのなかった分野を腰を据えて埋めるときに開いた。

TG-WEBは、スピード勝負だと分かってからは、タイムを測りながら早く解く練習に切り替えた。正解できるかではなく、制限時間内に解き切れるか。練習の目的を変えたことで、本番の焦りがかなり減った。

そしてもう一つ、やり方として決めていたことがある。広く浅く全部を対策しないということだ。企業によって取り入れている適性検査や筆記試験は違うし、そもそも無い会社もある。だから受験案内が届いたら形式を確認し、その都度、近い試験内容のものを集中的にやる。在職中で時間が限られている以上、これが一番効率がよかった。全形式を満遍なく仕上げようとしていたら、どれも中途半端に終わっていたと思う。

そしてもう一つ、AIに模擬テストを作らせた。SPI風の問題を出題させ、答え合わせをして、間違えた分野の類題をさらに出させる。この往復をスキマ時間に回す。市販の問題集は一周すると答えを覚えてしまうが、AIは毎回違う問題を作ってくれるので、反復練習の相手として意外と役に立った。

性格検査も、ほぼセットで来る|一番の敵は時間

見落としがちだが、SPIやTG-WEBといった筆記試験がある企業は、性格検査もセットだった。私が受けた範囲では、例外はなかったと思う。

答え方について先に書いておくと、私は基本的に正直に答えた。ただ、応募先で求められている人物像を踏まえて、少し意識して選んだ設問があったのも事実だ。そこは正直に書いておく。嘘をつくのとは違う。極端に振らない範囲で、自分の中にある要素のどちらを前に出すか、という調整に近い。

ただし——40代が本当に注意すべきなのは、答え方ではない。

時間だ。

性格検査は、1問あたりの制限時間が短く、しかも質問数が多い。わりと直感で素早く答えていかないと、時間が足りなくなって最後まで到達できない。未回答が残るのは、答えの内容以前の問題になる。

ここで足を取られるのが、まさに40代だと思う。一問一問を吟味してしまう。さっきの回答と矛盾していないか気になって戻る。仕事で慎重に判断する癖がついているほど、性格検査では裏目に出る。

だから結局、正直に答えるのが一番速いという結論になった。取り繕おうとすると、そのたびに考える時間が発生する。自分をどう見せるか迷っている間に、設問だけが残っていく。

性格検査は対策する試験ではない。それでも「短時間・大量・直感で答える」という形式だけは事前に知っておいたほうがいい。知らずに受けると、そこで初めて焦ることになる。

適性検査の結果は、教えてもらえない

対策をしていて一番もどかしかったのは、これだ。

適性検査の点数は、受験者には開示されない。何点だったのか、基準に届いたのか、落ちたとしてそれが適性検査のせいだったのか——最後まで分からないままだった。エージェント経由でも、そこまでは返ってこない。

面接なら、答えに詰まった感触が自分で分かる。書類なら、通過率という数字が残る。適性検査だけは、手応えを検証する手段がない。

だから途中で、考え方を変えた。点数を上げにいくのではなく、「対策しなかった」という後悔だけは残さない。それを基準にした。結果が見えない以上、自分がコントロールできるのは準備の有無だけだからだ。

40代で適性検査に向き合うときの気持ちの持ち方としては、これが一番現実的だと思っている。

40代が適性検査でつまずきやすい3つのこと

自分の失敗と、うまくいった部分を分けて振り返ると、つまずく場所は3つに集約される。

1つめは、着手が遅れること。前述のとおり適性検査は選考の序盤に来る。書類が通ってから対策を始めると、面接準備と時期が重なって消耗する。私はこれをやって序盤で慌てた。応募を始める段階で参考書を1冊買い、先にひと通り触れておくだけで、後半がまったく違ったはずだ。

2つめは、昔の感覚で臨むこと。「昔は解けた」という記憶が邪魔をする。思い出そうとして手が止まる。思い出すのではなく覚え直すと割り切ったほうが、結果的に早い。プライドを一度置けるかどうかが分かれ目だった。

3つめは、時間配分を軽く見ること。特にTG-WEBは、解けるかどうかより解き切れるかどうかの試験だった。正答率を上げる練習と、速度を上げる練習は別物だ。そこを分けて練習し始めてから、本番の焦りがはっきり減った。

逆に言えば、この3つはすべて事前の段取りで防げる。40代の適性検査は、地頭の勝負ではなく段取りの勝負だった。

「適性検査のない企業を選びたい」と思ったら

正直に書くと、活動の途中で「適性検査のない企業だけ受けたい」と本気で思った時期がある。

ただ、振り返って言えるのは、適性検査で測られているのは学力そのものではなく、準備をしたかどうかだということだ。40代の受験者に、企業は満点を期待していない。それでも対策の跡が見える点数と、無対策の点数の差は、はっきり出る。

25年ぶりの試験勉強は、正直、面倒だった。でも、解けなかった問題が解けるようになっていく感覚は、思っていたより悪くなかった。錆びていたのは頭ではなく、単に「試験用の使い方」を忘れていただけ。数週間の対策で、戦える水準までは戻る。

適性検査を理由に、行きたい企業を諦めなくていい。それだけは、経験者として言っておきたい。


適性検査の模擬テストだけでなく、職務経歴書の添削や企業研究でもAIを使い倒しました。実際に使ったプロンプトと手順は、noteにまとめています。

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