求人票を見ても、自分に合っているかどうか判断できない——そう感じたことはないだろうか。
私は転職活動中、数十社の求人票を読んだ。最初のうちは「業務内容」と「年収レンジ」だけを見て判断していた。でもそのやり方では、何度も迷った。「これは自分の仕事か」「この年収に届くのか」が、読んでも読んでも腑に落ちなかった。
転職エージェントのアドバイスと、実際に選考を進める中での気づきを経て、ようやく自分なりの「求人票の読み方」が固まってきた。今回はその実体験をもとに書く。
業務内容の「幅」を見る
求人票の業務内容欄で確認したいのは、「何をするか」だけでなく「どの範囲まで担うか」だ。
私が前職でやっていたのは、製造部門の管理業務全般だった。生産計画・品質・安全・コスト・人材育成まで、課長職として一括して担っていた。だから「製造管理」と書いてあっても、それが現場オペレーターの監督だけなのか、工場全体のマネジメントを含むのかで、仕事の重さはまったく違う。
エージェントからは「幅が広い求人ほど裁量が大きい分、期待値も高い。狭い求人は即戦力の現場管理を求めている」と教わった。40代で管理職経験がある場合、幅が広い求人のほうが経験を活かしやすいが、その分ポジションや給与の交渉余地も大きくなる。
想定年収の「幅」と「自分がどこに入るか」
「年収600〜900万円」という表記を見て、「600万円か900万円か」どちらになるか分からない——という経験は多くの人がするはずだ。私もそうだった。
この幅は、経験・スキル・前職年収によって決まることが多い。エージェントに「自分はこの幅のどこあたりになりますか」と確認するのが一番正確だ。エージェントは企業の採用実績や相場感を持っているため、ある程度のレンジを教えてくれる。
私の場合、前職年収をベースに「この企業なら現職維持か多少アップが見込める」「この企業は現職より下がる可能性が高い」と事前に把握した上で選考に進んだ。年収の話は選考終盤まで出しにくいからこそ、事前に見立てを持っておくことが大事だった。
必須スキルの「量」に注意する
求人票の「必須スキル」欄がやたら長い企業がある。ISO対応・5S活動・原価管理・部下育成・英語でのコミュニケーション・CAD操作……これだけ並んでいると、自分に合っているのか判断できなくなる。
エージェントから言われたのは「必須スキルが多すぎる企業は、採用要件が定まっていない可能性がある」ということだった。つまり、「こういう人が来てくれたらいいな」を羅列しているだけで、実際には全部を求めているわけではないケースも多い。
一方で、必須スキルが3〜4項目に絞られている求人は、採用ターゲットが明確だ。その3〜4項目に自分の経験が当てはまるかを確認すれば、応募判断がしやすい。
私は「必須スキルが10項目以上ある求人には慎重になる」という判断基準を持つようにした。
求人票と実態のズレ——内定辞退につながった経験
転職活動を通じて最も痛感したのが、「求人票に書いてあることと、実際の仕事は違う」という現実だ。
私は1社、内定後に辞退した企業がある。求人票では「工場マネジメント全般」と書かれていたが、選考を進める中で「当面は現場の立て直しから入ってもらいたい」という話が出てきた。マネジメントというよりも、現場の個別作業の改善が当面のメインになるということだった。
求人票の記載と実態がズレていた。そのズレが積み重なり、最終的に辞退を選んだ。
このズレを事前に減らすには、面接で「入社後の最初の1年で期待されることは何か」を具体的に確認することが有効だ。「求人票に書かれた業務内容のどの部分から始まりますか」と聞いてみると、企業側の本音が見えやすくなる。
求人票はあくまで「採用するための文章」だ。書かれている内容が実態に即しているかどうかは、選考の中でしか確認できない。
求人票を読む際に実際に確認していた4点
- 業務内容の「幅」:現場管理のみか、マネジメント全体を含むか
- 想定年収のレンジ:エージェントに「自分はどのあたりか」を事前確認
- 必須スキルの量:10項目以上なら採用ターゲットが曖昧な可能性あり
- 求人票と面接の整合:「入社後最初の1年で期待されること」を面接で確認
求人票だけで判断しようとすると、必ずどこかで迷う。読み方の軸を持った上で、エージェントと話しながら補完していくのが現実的なやり方だった。
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