転職先の最寄り駅を降りた朝のことは、よく覚えています。緊張していました。ただの緊張ではなく、「ここからもう引き返せない」という種類の緊張でした。
前職を25年勤め、社会人になってから一度も「新人」になったことがなかった。その私が、40代で、一番下の立場として新しい職場に立っていました。
「自分が一番新人」という感覚
前職では、在職年数が長かった分、後から入社した人が大半でした。自然と「教える側」になっていた。職場の歴史も文化も、自分の体に染み込んでいました。
新しい職場では、それが完全に逆転しました。自分が一番新人です。誰が何をしているのかも、どこに何があるのかも、何も知らない。その感覚は想像以上に落ち着かないものでした。
受け入れ体制がなかった
入社してすぐに気づいたのは、研修もカリキュラムも整っていないということでした。職場自体が操業から間もない状態で、途中入社を受け入れる仕組みがまだ作られていなかった。
挨拶回りも、上長に連れられてではなく、自分で各所を回りました。「この人は誰だろう」という目で見られながら、自分から声をかけて回る。前職では絶対になかった経験でした。
仕事を進めるうえで必要な知識の教育もありませんでした。経験者採用だったこともあり、「即戦力として動いてほしい」という期待が最初からあった。でも、職場のルールも人間関係も何もわからない状態で、即戦力として動くのは簡単ではありません。
主体的に動かなければ何も進まない環境に、最初の1週間は正直消耗しました。
前職との違いに戸惑った部分
グループ全体の規模は大きいのですが、出向先の職場の規模感は前職の課と同じくらいでした。「大手に転職した」という感覚より、「小さな現場に来た」という感覚の方が先に来ました。
ルールが未整備な部分も多かった。前職では長年かけて整備されてきたルール・手順・安全活動の仕組みがあり、それが当たり前だと思っていた。新しい職場ではそれがない部分があり、最初は戸惑いました。
人間関係も前職とは違いました。前職は製造現場の男職場で、それなりに荒削りでしたが、関係性はシンプルでした。新しい職場は男女半々で、人間関係はギスギスしている部分がありました。どう立ち回ればいいか、最初はつかめませんでした。
「転職しなければよかった」と思った瞬間の話
正直に書きます。転職後、「しなければよかった」と思ったことは、何度かありました。
前職なら答えがわかっている場面で、新しい職場では何もわからない。頼れる人間関係もまだない。経験者として期待されているのに、思うように動けない。そのギャップが重なる日は、帰り道が重かったです。
ただ、同時に思うことがあります。前職のままでいたら、この感覚を経験することはなかった。挑戦しなかったことを、後から後悔したと思う。その確信が、しんどい日の支えになっていました。
最初の1週間を振り返って
転職後の最初の1週間は、「期待通り」ではありませんでした。でも、「期待通りでなかった」ことも含めて、新しい環境を自分の足で経験できたことは、前職だけでは得られないものでした。
40代での転職は、スムーズにいくとは限りません。むしろ最初は戸惑いの方が多い。それでも、踏み出したことで見えてくる景色があります。私にとっての最初の1週間は、そういうものでした。
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転職後に感じた違和感や後悔は、手放した方が楽になる思考と深くつながっています。40代転職で「捨ててよかった」と思った考え方を、noteにまとめています。
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