第27話:隣の芝生は本当に青いか?転職活動をした結果「今の会社に残る」と決めた人のリアル

40代管理職の転職体験談

はじめに

「もう、この会社には自分の居場所がないのではないか……」

連日の会議、板挟みの人間関係、そして上がらない年収。

ふとした瞬間に襲ってくる猛烈な閉塞感から、吸い寄せられるように

転職サイトのマイページを開く。

40代の管理職であれば、一度や二度はそんな夜を過ごしたことがあるはずです。

「外の世界なら、もっと自分を正当に評価してくれる場所があるはずだ」

そう信じて職務経歴書を書き、エージェントと面談し、

必死に自分を売り込む。

しかし、転職活動を進めれば進めるほど、

一つの「違和感」に突き当たることはないでしょうか。

「年収は維持できそうだが、今の会社の福利厚生や

退職金制度を捨てる価値はあるのか?」

「ゼロから新しい人間関係を築くコストを、今の自分は払えるのか?」

実は、40代管理職の転職活動において、最大の収穫は「内定」ではありません。

外の世界を覗いたことで、今の職場を**「あえて選び直す」**という

納得感を得ることにあるのです。

世の中の転職メディアは「動かないのはリスクだ」と煽ります。

しかし、リアルな現場を知る私はこう思います。

今の会社に「残る」という決断は、決して逃げではなく、

極めて戦略的なキャリア選択である、と。

「実は私も転職活動中、ある企業から内定をもらいましたが、

今の会社の『休暇の取りやすさ』と『長年築いた部下との信頼関係』を

天秤にかけ、あえて辞退した経験があります。

その瞬間、不思議と今の会社への不満が消え、

翌朝の通勤が少し楽になったんです。」

この記事では、転職という手段にこだわらず、

あえて「残る」という選択肢を選ぶべき基準と、

その決断をポジティブな力に変える方法について、

私の実体験を交えてお伝えします。


この記事はこんな人におすすめ

・転職サイトに登録はしたものの、今の会社を辞める決定打に欠けている人

・内定をもらったが、現在の待遇と天秤にかけて迷っている人

・「今の会社に残るのは負け」だと感じ、焦りを感じている人


なぜ「転職しない」という選択が「逃げ」ではないのか

40代管理職の転職には、

20代や30代のような「若さゆえの勢い」は通用しません。

この年代の転職は、人生の後半戦を左右する**「投資」**に近いからです。

投資において「ステイ(何もしない)」が立派な戦略であるように、

キャリアにおいても「残る」という選択には明確なメリットが存在します。

市場価値を「外」で測り、「内」で活用する

転職活動を通じて自分の市場価値を客観的に知ることは、今の会社での立ち位置を再定義することに繋がります。「外では年収700万だが、今は850万もらえている。この差額の150万は、今の会社が私の『社内調整力』や『過去の実績』に対して払ってくれているプレミアムなんだ」と気づけたとき、不満だった今の職場が「自分を高く買ってくれている場所」へと見え方が変わります。

「人間関係の貯金」という見えない資産

管理職にとって、最も仕事をしやすくするのは「信頼」です。

面倒な承認も「あの担当者なら話が早い」、トラブルが起きても

「あの役員なら守ってくれる」。新天地では、

これら全ての「貯金」がゼロになります。

40代でこの資産を投げ打つリスクを冷静に天秤にかけ、

残ることを選ぶのは、非常に高度なリスクマネジメントと言えます。


転職を思い止まるべき「3つのシグナル」

もしあなたが今、内定を手にしていたり、

本格的に動こうとしていたりするなら、一度立ち止まって

以下のシグナルが出ていないか確認してください。

1.「怒り」や「疲弊」がガソリンになっている

「あの上司の下では働けない」といった感情的な理由は、

転職後の満足度を下げがちです。

感情を切り離し、「10年後の自分にとってプラスか」という

視点を持てない時は、一度ステイすべきです。

2.現状の「負の側面」しか見えていない「今の会社の良い点」と

「応募先の懸念点」を強引にでも書き出してみてください。

それができないうちは、バイアスがかかっている証拠です。

3.家族の不安を「説得」で解決しようとしている40代の転職は、

家族の生活基盤そのものを揺らします。

家族が心から「応援」してくれないのであれば、

今はそのタイミングではないのかもしれません。


【保存版】「残留 vs 転職」究極の比較チェックリスト

今の会社に「残るべき」か、新天地へ「行くべき」か。

迷ったときは、以下の項目を比較してみてください。

比較項目今の会社(残留)転職先・市場(移動)
年収・待遇社内評価で維持されている純粋な市場価値で決まる
退職金勤続年数による加算があるリセットされる(補填が必要)
人間関係信頼の貯金があるゼロから構築(コスト大)
社内文化立ち回り方を熟知している全く未知(馴染めないリスク)
10年後の姿予測がつき、納得している強い後悔を感じる予感がする

※チェックの数よりも「絶対に譲れない項目」を一つ決めることが大切です。


「残る」と決めた後、明日からどう働くか

「転職しない」と決めた瞬間から、

あなたは「会社に縛られている会社員」ではなく、

**「自分の意志でこの会社を選んでいるプロ」**に変わります。

「いつでも辞められる」というカードを胸に秘める「外でも通用する」

と確信できていれば、社内の顔色を伺う必要がなくなります。

この精神的余裕が、逆に強気な決断を生み、

社内評価を逆転させることもあります。

「副業」で外貨と経験を稼ぐ今の会社の安定を享受しつつ、

足りない刺激やスキルアップは副業で補う。

これこそが、40代管理職にとって最もリスクの低い「攻め」の姿勢です。

まとめ:ハンドルを握っているのは、あなた自身

転職活動をした結果、「今の会社に残る」という結論に至ったのなら、

それは立派な**「転職活動の成功」**です。

あなたは「辞められないから残る」のではなく、

**「外の世界と比較した上で、自分の人生のために残ることを選んだ」**のです。

この「選択した」という事実こそが、明日からのあなたの働く意欲を支える、

何よりのエネルギーになるはずです。


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転職活動で一番つらかったのは、

書類や面接ではなく、

「決められなかった時間」でした。

条件は悪くない。

でも、なぜか前に進めない。

当時の私は、

その理由をうまく言葉にできず、

ただ悩み続けていました。

この状態から抜け出すために、

自分の思考を一つずつ整理した記録を、

noteにまとめています。

▶︎ 40代管理職が転職で「決断できなかった時間」を抜け出した思考整理ノート(有料)

40代管理職が転職で「決断できなかった時間」を抜け出した思考整理ノート|Yuton
※このnoteは、40代・管理職として転職を考えながら、 年収と年齢を理由に決断できなかった人に向けて書いています。 決められなかった数年を、どう抜け出したのか。 年収と年齢で止まった思考を、動かすための記録。 40代・管理職。 情報は揃っ...

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